皮膚の構造 ~表皮Ⅰ~
今回は皮膚の構造についてまとめていきます。
皮膚は全体を覆うことで水分を保持し、外部から異物が侵入するのを防ぎます。また、汗をかくことで体温を適切に維持したり、痛みやかゆみを感じることで、身体を危険から護る働きも備えています。皮膚は外側から、表皮、真皮、皮下組織の3つに分かれています。
表皮
肌の最も外側にあり、一般的に手で触れられる部分が表皮になります。表皮は肌質や年齢によって異なり、同じ人でも季節や体調、スキンケアなどの影響を受けて変化します。
表皮は0.02mm程度の厚さで、外側から順に角層(かくそう)、顆粒層(かりゅうそう)、有棘層(ゆうきょくそう)基底層(きていそう)の4つの層で構成されています。
角層の構造と役割
角層は扁平な形状で核のない角質細胞が約10~20ほどの層を作ることによって構成されています、角質細胞にはNMF(天然保湿因子)が含まれ、細胞と細胞の間には細胞間脂質で満たされています。
角層の表面には、汗腺から分泌される汗と皮脂腺から分泌される皮脂が混ざり合った皮脂膜が形成され、肌からの水分蒸発を抑えて乾燥を防ぎ、外的刺激から肌内部を保護する働きをしています。
NMF、細胞間脂質、皮脂膜のバランスが取れた状態のことを「モイスチャーバランスが整っている」と言います。モイスチャーバランスが整った肌は、皮膚の乾燥を防ぎ、外的刺激から肌を護るバリア機能が高い状態といえます。理想的なバランスはNMF3割、細胞間脂質5割、皮脂膜2割と言われています。